2019年上半期観た映画のざっくりした感想

・順不同

・ぱっと思ったことをメモ的に書き残しただけなので、マジメな作品評価みたいな風に受け取らないでほしいです。

 

シンドラーのリスト

  3時間越えの映画で、最初から最後まで夢中で観られた数少ない作品。バッハのピアノをバックにドイツ軍兵士がぞろぞろ上がり込んでくるシーンは何度観ても圧巻。クロード・ランズマンの『ショアー』と見比べてみたかったが、こっちは何と10時間近い。今後の人生でいつか鑑賞する日は来るんだろうか……

 

アラビアのロレンス

 4時間という長大な上映時間、膨大な登場人物たち、徐々に精神を荒廃させていく主人公、彼らの営為を無情に押し流していく歴史の変遷、それら全てを呑み込んでいく化物のような広大な砂漠。途方もない映画。

 

勝手にしやがれ

 ゴダール初の長編映画にして代表作。手持ちカメラ撮影とかジャンプカットとか、今ではそんなに驚きもしないが、当時は革新的だったらしい。

 本作に限らずヌーヴェル・バーグはなんか難しい感じがしてニガテ。『気狂いピエロ』はなんとなく楽しめたけど。

 

自転車泥棒

 イタリア・ネオレアリスモの代表的作品。何だかんだ最後は何とかなるだろと思っていたら、特に何の救いもなかった。ラストシーンのぎゅっと繋がれた手が切ない。先の見えない悲惨さの中に仄めく優しさ。

 

灰とダイヤモンド

 アンジェイ・ワイダのいわゆる抵抗三部作の一作。無知で頭が悪いので筋を追うのに必死だった。混乱した政治状況下における人間性の希求と挫折。

 

スミス都へ行く

 キャプラ映画は大好き。シニカルな時代に、単純に理想を歌い上げる映画がむしろ胸を打つ。

 

オペラハット

 面白かったけど、暴力癖は何とかした方がいいと思った。

 

君の名前で僕を呼んで

 北イタリアの美しい夏と共に去りゆく恋の行方。俺もこんな教養的で激しい恋がしたかったなあ。エリオ役のティモシー・シャラメが美少年過ぎてビビる。

 

『ファーゴ』

 映画史に残る名画らしいが、途中で寝てしまってよく覚えていない。

 

俺たちに明日はない

 アメリカン・ニューシネマの先駆。ヒロインの母親とのやりとりが何だかつらかった。

 

戦艦ポチョムキン

 『市民ケーン』とも肩を並べる映画史の代表的作品。「オデッサの階段」のシークエンスにはやはり言葉を失う。

 

英国王のスピーチ

 久々に映画で泣いてしまった。吃音というごく個人的な問題を、第二次大戦直前という時代背景のもと、立憲君主制下における「王」のありようというテーマと絡めて描いており、知的にも極めて興味深かった。

 

ハンナ・アーレント

 取り上げている題材自体には興味を惹かれるものの、あんまり面白いとは思えなかった。夫婦愛とかハイデガーとの関係とかハンス・ヨナスとの決別とか、あれもこれもと要素を並べているけれども、なんだか散漫で、映画というよりアーレント基礎知識講座みたいな印象が強かった。特にハイデガー関係はとってつけたような印象が強く、これじゃあそもそもなんでアーレントが彼に惹かれたのかよく分からない。

 

フォレスト・ガンプ

 これも世評のわりにはいまいちな印象だった。とりわけヒロインのジェニーの扱われ方は、個人的にうまく呑み込めなかった。

 

アメリカン・スナイパー

 あまりの幕切れに暫し唖然とし、それからようやく本作がノンフィクション作品であることを思い出すなど。現実は非情。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー

 実は観たことがなかった超メジャー映画。勿論大いに楽しめたけど、若い頃の母親に惚れられながら何とか父親とくっつけようという、実は結構ダーティな話でもあった。

 

『波止場』

 エリア・カザン監督作。俗悪な搾取階級と、負け犬ひとりの孤独な戦い。勇気を持って立ち上がる労働者たち。現代の視点から見るとちょっと大時代的な気もするが、やはり率直に感動した。

 

『第三の男』

 光と影、斜めのアングル。かっこいい。

 

秋日和

 『晩春』の「父」を「母」に置き換えて撮り直したような映画。『晩春』の方が私は好きだけど、トリックスターのオヤジ3人衆は面白い。

 

『早春』

 人間が死んでいくこと、死者が否応なく忘却されていくことなど、爽やかそうなタイトルに反して、何だか死のイメージの色濃い不吉な作品のような気もした。

 

麦秋

 『麦秋』と『浮草』はぶっちゃけ『東京物語』よりずっと好き。

 

『浮草』

 大傑作。小津作品の中でも、日本映画の中でもいちばん好き。「赤」の色彩をこんなに美しく艶めかしく映した映画は他にないはず。定住する者と旅を運命づけられた者、静と動の対照、旅芸人という生き方にプライドを感じながらも息子にはそうあってほしくないと思う心理、それに起因する親子のすれ違い、一座の解散が決まったときの役者同士の温かなやり取り、中村鴈治郎京マチ子が雨中に罵り合う名高いシーンなど映画を構成する何もかも傑出して素晴らしい。

 

『リアリティのダンス』

 初めてのホドロフスキー。よく知らないけど、何だかフェリーニを想起した。超現実主義的でシュールな表現が続くが、実のところは父権の崩壊というごく古典的なテーマを描いたかにも見える。 

 

『天使にラブ・ソングを』

 文句のつけようのない大ハッピーエンド。やっぱりこういうのがいい。

 

『夜と霧』

 アウシュヴィッツ強制収容所を取材したアラン・レネのドキュメンタリー的作品。言うまでもなくえぐい。フランクルの著作の邦題の元ネタ。

 

『意志の勝利』

 リーフェンシュタールの、良くも悪くもあまりに有名な作品。地の果てから無限に沸き上がってくるかにすら見える鉄の軍隊たち。そういえば『シン・ゴジラ』に対して、これは権力の美学化だリーフェンシュタールだと騒いでいた批評家がいたけれども、やっぱり程度の差があって『シン・ゴジラ』はリーフェンシュタールほど美しくはないし、従ってリーフェンシュタールほど悪質でもないと思う。

 

ラストタンゴ・イン・パリ

 生々しすぎて観るのがきつかった。

 

風と共に去りぬ

 何が良いのか分からないどころか、終始不快だった作品。南北戦争前後の南アメリカを舞台とし、スカーレット・オハラという、出自と美貌以外に何の取り柄があるのかわからない我儘で自己中心的な奴隷制支持の人種差別主義者が、他人様の旦那に横恋慕して周囲に迷惑をかけまくる。前編のラストはAs God is my witness, I'll never be hungry againという名台詞で締め括られ、ようやく彼女も成長し始めるのかなと思ったら、後編でも使用人に暴力を振るい、レット・バトラーに金の無心をした挙句に逆ギレするなど醜態を晒し続ける始末。こんな性格なので結婚生活がうまく行くはずもなく、惨めに棄てられ、最後は故郷の土地タラに縋りつきながら、まあ今後のことはまた今度考えよ、みたいなことを言いながら本作は幕を下ろす。何これ?

 

アマデウス

 確かに、多少なりともクリエイティヴな方向を志した人なら誰でも「刺さる」映画だとは思うけど、才能は神からの贈物であり、音楽は神への捧げ物だというキリスト教ベースの芸術観のもとに本作が展開されていることを念頭に置いておく必要はある気がする。つまりドストエフスキーとかニーチェとかと同じで、我々みたいな非キリスト教圏の人間には、本当の意味では(本作における)サリエリの「嫉妬」を理解することはできないんじゃないかな、とも思った。

 

ラ・ラ・ランド

 2度目の鑑賞。俺は好き。

 

『劇場版響け! ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』

 俺は好き。そういえば今年はまだアニメ映画を一本しか観られていない。